はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

母の愛

ばあやとオスカルのやりとりは、頻繁に描かれていますが、オスカルと母ジョルジェットのやりとりはあまり多くはありません。

でも、ベルサイユのばらの前半では母とのエピソードも描かれています。

男の子として育てられたオスカルは、母を守ろうとする気持ちが強いようです。デュバリー夫人とアントワネットの争いに、母が巻き込まれそうになった時、また、ロザリーが、母のかたきをとろうとした時に、勘違いをして、オスカルの母を刺そうとした時の様子からも分かります。

母上が家に戻られる、よしオスカルも家からつとめに出ようと言っているところもあります。オスカルにとって、優しく美しい母は心から敬愛する大切な存在なのだと思います。

そして、オスカルが本当に辛い時、アンドレには言えない時、母を求める姿が印象的です。

アンドレに毒殺されそうになり、未遂に終わった時、

アンドレまさか」オスカルはアンドレのしようとしたことを察しました。

その時に母ジョルジェットの部屋に行っています。

母上と言って、母の膝に縋り付きます。

こんなオスカルの姿はみたことがありません。私は父上の人形ではありません。男でもなく、女でもなく・・苦しい胸の内を母に訴えます。

ジョルジェットは、優しく、オスカルの頬を手で包み込んで、父ジャルジェ将軍の本当の心のうちをオスカルに話して聞かせます。

愛に溢れる素敵なシーンです。 

パリ出動前夜、軍隊なんかやめておしまいになってと泣くばあや、

「奥さまでさえじっと耐えていらっしゃるものを、ばあやもそうは思うのでございますが・・」

ストレートにオスカルへの愛をあらわすばあやに対して、じっと耐えているジャルジェ夫人の様子が思い浮かびます。

そして、パリに出動していくオスカル、オスカルの肖像画の前で肩を震わせて泣くジャルジェ夫人の後ろ姿。これが愛する娘との永遠の別れとなってしまうことを予感しているのかもしれません。