はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

ベルサイユのばらの構成

物語前半は、マリー・アントワネット、フェルゼン、オスカルの3人が主役です。

最初はオスカルの誕生、マリー・アントワネットオーストリア時代が描かれています。

そして、マリー・アントワネットがフランスに輿入れし、オスカルは近衛隊士として、護衛につきます。

妃殿下時代のマリー・アントワネットが中心のストーリーとなっています。

そして、フェルゼンとマリー・アントワネット、オスカルの3人の出会いが描かれます。

マリー・アントワネットとフェルゼンの恋や、王妃としての贅沢な暮らしぶりなど、その後革命が起こっていくことを、予感させるフランスを描きながら、首飾り事件までは、マリー・アントワネット中心のストーリー運びとなっています。

黒い騎士が登場するあたりから、オスカルが物語の中心に、アンドレも主役の一人となってきます。

そして、フランス衛兵隊の隊長となり、バスティーユ攻撃で、オスカルが命を落とすまでは、オスカルとアンドレが中心となるストーリーです。 

色々なエピソードを通して、フランス革命に至るフランス、そして、オスカルとアンドレの心の内を丁寧に描いています。

オスカルとアンドレは架空の人物であることから、自由に描くことが可能だったと思います。

そして、オスカルの言っていることは、ほとんどわたしの意見と、池田理代子先生のインタビュー記事で読みました。オスカルは池田理代子先生の分身のような存在です。

そして、「1972年の連載当時は、今よりも、女性が自由に生き方を選びとれる時代ではなかった、マリー・アントワネット、オスカルなどの生き方をとおして、内なる人間としての目覚めを描きたかった」と30周年の時にも書いておられます。

私にとっても、連載当時から50年たった今でも、オスカルを超えるような女性キャラクターは存在しないくらい、すべてがカッコいい、憧れの存在です。

でも、カッコいいだけではない、人間としての苦悩、弱さ、葛藤も描かれているからこそ、長い期間、多くの人の心を魅了するキャラクターなのだと思います。

そして、オスカルの死後は、編集部から10週で終わらせるようにとの要望があったことから、その10週は、再び、マリー・アントワネットが主役で、フェルゼンとの愛の姿を描きながら、革命から断頭台で処刑されるまでを描いています。

この最後の10週は、描かなければならないと思われる事柄のみを取り上げたと、作者が書いています。

革命がおきてからのマリー・アントワネットの生き様が、作者が一番描きたかったところなのかもしれませんが、そこは制約があり、残念な気がします。

でも、マリー・アントワネットの断頭台までの流れは、分かりやすく描かれていると思いますし、フェルゼンとの愛の物語も充分に読み応えのあるストーリーになっていると思います。