「ベルサイユのばら」の主要登場人物の一人であるフェルゼン伯爵、マリー・アントワネットと同じく、歴史上実在した人物です。
フェルゼン伯爵の生涯は、「ベルサイユのばら」に描かれている通り、殆ど史実に沿っています。
ただ、仮装舞踏会でのマリー・アントワネットとの出会いは、スウェーデン国王、グスタフ3世の意図があったと書かれてありました。そして、フランス王家への献身も、スウェーデンの国益を兼ねていたとあります。
フェルゼン伯爵は、グスタフ3世の寵臣だったので、スウェーデンの国益のために、働いていたということなのでしょう。
マリー・アントワネットとの関係についても、「ベルサイユのばら」で描かれたような、恋愛関係があったかどうかは、分からないようです。
フランス革命が起きた時に、フランスに行ったのも、革命を阻止するために、グスタフ3世がスパイとして、送りこんだとの記述もあり驚きました。
革命が起きたあとに、フランス国王夫妻の助命のために奔走し、マリー・アントワネットに対する献身の姿が「ベルサイユのばら」にも描かれていますが、これは史実の通りです。
そして、マリー・アントワネットから、フェルゼンに宛てた手紙などからも、親密さが分かるようです。この手紙について、フェルゼン伯爵自身が、検閲を加えていたという記事を見つけました。
逃亡に失敗し、命の危険に晒されていた王妃さまからの手紙、政治的な内容が多かったとも書かれていましたので、内容が分からないようにする必要があったのかもしれません。あるいは、二人の親密さを隠す意図があったのか、そこのところは分かりません。
外国人であるフェルゼン伯爵のマリー・アントワネットへの忠誠心は、やはり愛だったのかなと思ってしまいますが、真実は分かりません。
フェルゼン伯爵の最期は、「ベルサイユのばら」エピソード編に描かれている通り、皇太子の葬儀に行く途中を民衆たちに襲われて亡くなります。描かれているよりも、実際には、全裸で側溝に投げ捨てられるという、悲惨な最期を遂げています。
そして、亡くなった時の年齢が54歳とあり、池田理代子先生の描いたフェルゼン伯爵は、もう少し年齢が上に見えたので、想像していたより若いと思いました。でも、現代の54歳とは違うので、そんなものなのかなとも思います。
参考:ウィキペディア ほか