はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

アナスタシアの生き方

愛に生き、愛に殉ずる忘れられない登場人物であるアナスタシア

アレクセイの幼なじみです。アレクセイの少年時代のエピソードで、二人の出会いが描かれています。最初の出会いからアナスタシアはアレクセイに惹かれているようです。

そして、数年がたち、アナスタシアはアレクセイのことをずっと好きなのですが、アレクセイはアルラウネに恋をしています。アナスタシアの一方的な片想いです。

そして、兄のドミートリィが仲間の裏切りから逮捕され、銃殺刑に処せられます。この事件により、ミハイロフ家は爵位を剥奪され、アレクセイは身の安全のため、ひそかにロシアから逃亡し、アルラウネと共にドイツに行き、音楽学校に入ります。

アナスタシアは、アレクセイが行方不明になっているその間も、アレクセイを忘れることはなかったのです。

皇室にゆかりのある公爵家に生まれたアナスタシアですが、アレクセイの革命家としての生き方を支えたいという想いは、生涯変わらず続いていきます。アレクセイを愛し、その愛に殉じようとする強い女性です。

ユリウスが、ロシアに来てまもなく、アナスタシアと会い、アレクセイのことを語り合うシーンがあります。

あの人はやんちゃで、でも、どんな人の心もとりこにしてしまう不思議な人でしたと語っています。

ユリウスとアナスタシアは、お互いに、アレクセイを愛しているのだと理解する姿がとても印象的でした。   

そして、アレクセイはまちがいなく逮捕される日がくるので、その時に助けられるのは、私達しかいないとアナスタシアはユリウスに言います。そして、その時が来たら、私に手を貸してちょうだいと言います。

アレクセイがシベリア流刑になった時、アナスタシアはアレクセイを救出するために動いています。アナスタシアの行動の原動力は、アレクセイを愛する気持ちだけなのだと思います。

見返りを望まない愛を貫く人で、2部のカタリーナにも同じような、愛の姿を見ることが出来ます。

シベリアに流刑になったアナスタシアのその後は描かれていません。その地で亡くなったのでしょうか。

女性であるアナスタシア、シベリア流刑地で辱めを受けるようなことがなかったことを祈りたいと思います。

ロシア編とウィーン編を繋ぐ唯一のキャラクターであるアナスタシア、イザークにクラウスからの伝言を伝えるシーンが、とても感動しました。

イザークおめでとう、心からの、このひとことを彼からことづかってきました」という言葉を言われた時の、イザークは感激し本当に嬉しそうでした。

アナスタシアは自分の代わりに、身柄を拘束されている、ロベルタを救うために、自ら名乗り出る前に、愛するアレクセイのバイオリンを手放し、イザークに託しています。

ロベルタがイザークの幸せを想い、自ら無実の罪を被ろうとする姿も心に迫りますが、アナスタシアの相手に何一つ見返りを求めず、アレクセイの生き方を支える姿も尊いです。

オルフェウスの窓」には、このような愛がたくさん描かれています。ロベルタも、カタリーナも、そして、フリデリーケの愛も尊い愛です。

そして、身を呈してユリウスを守ったガリーナの愛も尊く気高い愛です。