はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

レナーテ夫人の後悔

ユリウスの母、レナーテ夫人は外見も美しく、心優しい人です。

ユリウスを財産目当てで、男の子として育てたということが、どうもしっくりきません。そんなことするような人ではないからです。

ユリウスが殺人を犯してしまったのも、その秘密を知っている医師、ヤーン先生が、レナーテ夫人を脅したり、ゆすりをするようになり、そんな男から、自分たちの生活を守るためでした。

この殺人が、ユリウスに生涯にわたり、与える苦しみを考えると、レナーテ夫人の選択が、いかに間違ったものであったかということが分かります。

でも、ユリウスはそんな母を責めることもなく、自分の人生を受け入れて、生きていました。この母と子は、お互いなくてはならない存在だったことが分かります。

母の死がユリウスに与えたダメージは、相当なもので、一時的な記憶障害の症状がでました。

ユリウスの記憶障害は強い悲しみ、苦しみから自分の心を守るための防衛手段なのです。その後、ロシアに行ったユリウスは、過酷な運命に翻弄され、再び自らの記憶を失っていきます。