はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

少年愛の世界

私は10代の頃、少年愛の世界に惹かれて、小説やマンガ、映画も観ていました。

森鴎外の娘、森茉莉さんが書いた小説、「恋人たちの森」「枯葉の寝床」などの短編小説は、男同士の耽美的で頽廃的な愛の世界を描いている作品です。

当時、高校生だった私は、この小説にかなり影響を受け、文体を真似て小説を書いたりしていました。

そして、三島由紀夫、赤江爆の小説にも、男同士の愛を描いた小説がありました。

現代は、BLマンガ「おっさんずラブ」が、テレビで放映され、映画化され、すっかり市民権を得ましたが、私が高校生の頃は、少年愛大好きという人は、いるにはいたと思いますが、やっぱり少数派だった気がします。

竹宮恵子先生の「風と木の詩」が、少年愛の世界を真正面から描いた少女マンガだと思います。

昭和時代にこの世界が、少女マンガで、リアルな描写をともなって描かれたことは、やはり凄いことだったのだと思います。

その後、ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画が好きになりました。一番最初にみたのは、「ルードヴィヒ 神々の黄昏」です。ヘルムート・バーガーが、美しく、狂気の王様を演じて、はまり役でした。

そして、「ベニスに死す」のビョルン・アンドレセンも本当に、トーマス・マンの原作通りの美少年でした。

その後も「家族の肖像」「山猫」「若者のすべて」など、ヴィスコンティの映画が公開されると観に行っていました。

割と最近の話しですが、Amazonプライムビデオで「家族の肖像」を観ました。ヘルムート・バーガーの美しさに魅了されました。

そして、教授役を演じている、バート・ランカスターが、渋くて素敵でした。この映画は、同性愛ではないのに、ヘルムート・バーガーの美しさが、そのような雰囲気を醸し出してしまうのではないかと思います。

少年愛ではなく、純文学ですが、福永武彦氏の「草の花」にも美しい少年が登場します。この小説もとても好きでした。

そして、ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」「デミアン」も読みました。

あとは、少女マンガの少年愛を描いているものは、よく読んでいました。

木原敏江先生の「摩利と新吾」、山岸凉子先生の「日出処の天子」は好きでした。

でも、いつからか、少年愛の世界からは遠のいていきました。きっかけは特にないのですが、気がついたら、あまり興味がなくなっていました。

そして、最近はドラマや映画も、恋愛ものにときめかなくなりました。

ときめかないというより、最初から観なくてもいいかなと思うようになりました。

同年代の人と話すと、割と同じような意見を聞きます。

老境にさしかかっているからでしょうか(笑)

友情とか親子の愛の方が、心に迫ります。涙腺が弱くなり、ニュースを見ていて泣いてしまうこともあります。

これは年のせいですね。きっと。