はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

昔の恋バナを語ります

特別お題「今だから話せること

初めて結婚を意識して、つきあった男性がいました。私が20歳で就職した時に、職場で出会った人です。

私よりは5歳年上の25歳でした。職場の先輩でした。どちらかというとカッコいいというよりは、可愛い感じのする顔立ちでした。ぱっちりとした大きな目をしていました。

そして、趣味で地元の野球チームに入っていました。野球やソフトボール、テニスなどのスポーツもするし、あとは習字が上手、中国語も出来ました。真面目な人、誠実な人柄でした。

私は、最初から、ずっと好きでしたが、同じ職場の人なので、迂闊に気持ちを打ち明けて、もし、相手にそういう気持ちがなかったら、きっと働きづらくなると思い、自分からは何も言い出すことはできませんでした。

でも、働き始めて、3ヶ月がたった頃、職場のボーリング大会がありました。幹事をしている彼から、賞品を買いに行くので、一緒に行ってくれないかと誘われました。

二人で職場以外の場所に行くことができるのが、とても嬉しかったです。

そして、買物につき合ってくれたお礼にと、食事をご馳走になり、その日は別れました。

その後、夏になると、その当時は、職場の泊まりがけの研修旅行などもありました。仕事以外の場所で見るラフな格好をした彼がとても新鮮でした。

そして、季節は冬になり、どこか行きたいとか、行こうとかそういう話しをするような間柄になっていました。

「つきあって」とか「好きです」とかそういうことは言わずに、いつの間にか始まっていました。

高校、短大と女子校育ちの私は、それまで、男性とつきあったことがなく、つきあっているというのがどういう状況を指すのか、分からなかったのです。

少女マンガなどに描かれるおつきあいの始まりは、どちらかが気持ちを告白して、「つきあってください」という言葉から始まるので、そういうものだと思っていました。

でも、友人に話しを聞いてもらったら、「二人で会ったり、次の約束をしたりする、そういう状況をつきあっていると言うんだよ」と言われました。

それから、5年ぐらいつきあっていました。職場が同じなので、つきあっていることは、周囲にはオープンにはしていなかったです。そして、結局は結婚には至らずに別れることになってしまいました。

お互いいつかは結婚しようと思っていたはずなのに、タイミングが合いませんでした。彼の方が5歳年上にも関わらず、結婚はもう少し先にと言っていたような気がします。

私は段々このままこの人とつきあっていて、いいのかなと思うようになりました。そして、友達に誘われて、グループで旅行をしたり、テニスをしたり、そういう仲間が出来ました。夫はその遊び仲間のなかの一人です。

夫と結婚が決まり上司に報告した時に、あっという間に、その話しが、職場全体に広まりました。その時には、彼は異動になっていて、別の部署にいました。

そして、一年前に別れたはずの、以前の彼から、結婚せずに自分の元に戻ってきて欲しいと電話で言われました。二日続けて、電話がかかってきました。その時は、何を今更そんなことを言ってくるのか、全く理解出来ませんでした。

そして、私は結婚し、一人目の子供を出産する前に仕事を辞めました。

それから、26年がたちます。その間一度も会ったことはありませんが、最近になって、一度だけ、勤め先の情報をインターネットで、検索しました。そうしたら、彼が出世し、何かの取材を受けている様子が、顔出しで載っていました。

殆ど外見は変わっていません。懐かしい気持ちでいっぱいになりました。

10年くらい前には、ずっと独身だということも人づてに聞きましたが、今はどうしているのでしょうか。

結婚という自分の人生の分岐点で、私は夫を選び結婚しましたが、もう一つの道を選んでいたらどうなっていたのだろうと思うこともあります。

今の生活に後悔はないのですが、あの時に、元の彼の元に戻っていたら、どんな毎日だったのだろうと、考えることもあります。