はるのゆめ

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貴族社会との訣別

貴族の身分を捨て、名もなき一人の市民として、自由・平等・友愛のために、民衆と共に戦うことを決意し、それを自分の部下たちに告げたオスカル、もう一つ、大事なことを言わなければなりません。

アンドレの横を馬で通りすぎる時に、アンドレだけに聴こえるように、「アンドレ、この戦闘が終わったら、結婚式だ」と告げ、走り去っていきます。

アンドレはオスカルの言葉に驚かされています。「愛している」と言ってくれた時、そして、「アンドレグランディエの妻に」と言ってくれた時、そして、今回の「結婚式だ」という言葉も、かなり驚いています。

オスカルと身も心も結ばれ、アンドレは、これ以上望むことはないと思っていたと思います。でも、オスカルは、アンドレとの結婚を考えています。

アンドレは、自分が貴族だったら、おまえを花嫁にするために、立候補すると以前、ジェローデルとの結婚話があった時にも思い、どんなにどんなに愛してもだめなのかと、苦しみ、涙を流していました。

身分の違いから、結婚は出来ないと、あきらめていたアンドレにとって、オスカルのこの言葉は、一番大きなプレゼントです。

そして、オスカルは心の中で、自分の今まで生きてきた貴族社会へ静かに別れを告げます。

「さらばもろもろの古きくびきよ」と

くびきとは自由を束縛するものという意味でしょうか、貴族社会のなかで、自分が縛られてきたものへの訣別の言葉です。

そして、貴族として生きてきた自分が大切にし、愛し守ってきたものへの、別れの言葉が続きます。

「二度ともどることのない、わたしの部屋よ、父よ母よ・・」と

「さらば、王太子殿下、内親王殿下、愛をこめつかえたロココの女王、うるわしき愛の女神よ・・」と想いをこめて、別れを告げます。

そして、オスカルが、18歳の時に出会い、長い間片想いをしてきた人、今はかけがえのない大切な友人であるフェルゼンにも別れを告げます。

「さらば、さらば、フェルゼン伯・・・」と