はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

オスカルの失恋

フェルゼンに別れを告げられるシーン、改めて読み返すと辛い場面だなと思います。

オスカルは、ずっと好きだったフェルゼンに自分の気持ちを告白する気持ちはなかったのです。フェルゼンの気持ちが、王妃さまにしか向いていないことを、そば近くでずっと見てきて、知っているのですから。

でも、諦めきれない自分の恋心に終止符を打つために、身分を隠してドレスを着て、フェルゼンに会いに行ったのです。オスカル・フランソワではなく、一人の女性として、フェルゼンと踊り、これであきらめられると涙を流していました。

私は長い間の苦しい片想いの気持ちが、本当にこれだけで諦められるのかなと思いました。

フェルゼンは、舞踏会で踊った女性がオスカルではないかとずっと思っていたのでしょう。いきなり、オスカルの髪を持ち上げて、間違いないことを確認し、そして、オスカルの気持ちを悟ります。そして、はっきりと別れの言葉を告げるのです。

フェルゼンの別れの言葉は、オスカルにとっては、とてもつらい言葉です。「もしも、はじめてあったとき、おまえが女性だとわかっていたら、あるいは、ふたりのあいだは、もっとちがったものになっていたかもしれない」この言葉はきついですよね。

二人の出会いの時、男として存在しなければならなかったことは、オスカルには何の責任もないし、これは言わなくてもいい言葉のような気がします。こんなもしもの話しをされても辛いだけだし、慰めにもならない言葉で、むしろ傷が深くなるような気がします。そして、「わたしの一生は、アントワネットさまの上にさだめられてしまっている」とフェルゼンは言います。

どんなに愛しても、フェルゼンの心にはオスカルの気持ちを受け入れる余地はないことが、はっきりしています。

どんな言葉で伝えられたとしても、オスカルは失恋の痛手に苦しむことになります。

本当は気持ちに蓋をして、フェルゼンのことを忘れようとしていたオスカルに対して、はっきり別れを言うフェルゼンは、オスカルの気持ちに対して、誠実な男性なのかもしれません。

はっきり言ってもらったほうが諦めがつく場合が多いと思うのですが。どうでしょうか。

最初から、想われていないことは分かっていたけれど、はっきり言われるのは、それはそれで辛い気もしますし、どちらがいいのかは分からないです。どちらにしても辛い状況だと思います。

この失恋の辛さを、オスカルはどうやって乗り越えたのでしょう。

私の場合は、失恋の歌を聞いて泣いたり、やけ酒を呑んだり、衝動買いしたり、友だちに聞いてよーと言って話しを聞いて貰ったりしたと思います。かなり昔の話しですが笑

オスカルはアンドレに慰めて貰いたかったみたいです。

でも、アンドレもずっとオスカルに辛い恋をしているのです。フェルゼンとの失恋で、傷つき、悲しんでいるオスカルの表情を見ていたら、アンドレも、自分の心に秘めていた気持ちを、抑えきれなくなります。そして、おれの気持ちにも気がついて欲しいとの想いが、オスカルへの激しい愛の告白になっていきます。