はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

自信過剰の鼻っぱしら!!

オスカルが、近衛隊を辞めたとき、どんな気持ちだったのでしょう。

近衛連隊長は、現代風に言えば、超エリート集団のなかのトップだと思います。

自信とプライドを持って任務にあたってきたはずです。

しかし、ベルナールシャトレに言われた、王宮の飾り人形という言葉は、オスカルに相当なショックを与えています。

父ジャルジェ将軍にも、わたくしは人形ではありません!と答えています。

この時、ジャルジェ将軍は、怒りながらも、意外と、オスカルの気持ちを的確にとらえているのではないかと思います。

「いくら強くても女の身で近衛隊ならともかくほかの隊がつとまるか・・」と怒っています。

書斎でルソーやヴォルテールの本を読み、思想的にオスカルの心が少しずつ開かれていく時期ではありますが、それが、近衛隊を辞める理由ではないと思います。ましてや、失恋して王妃さまの側にいるのが辛いとか、フェルゼンを忘れるためとか、そういう理由でもないと思います。

オスカルは射撃も剣も十分に仕込んであるとジャルジェ将軍が以前言っていたように、剣の腕では誰にも負けたことがなく、自分の強さに自信を持っています。

フランス衛兵隊に行ってからも、あらくれ兵士たちに、「そういうことばはな、わたしと対等にわたりあえてから、口にしてもらおうと言っています。」

王宮の飾り人形ではなく、自分の実力で軍人として、やっていけることを、証明したかったのかもしれません。

もちろん、剣の腕が強いだけで、人はついていきません。温室育ちだったオスカルが、人間として、隊長として、成長していく姿が描かれていきます。そこが、面白いところです。

それにしても、怒りながらも、アンドレを呼び、すぐに対応を考えるジャルジェ将軍、さすがです。

アンドレにフランス衛兵隊に特別入隊し、オスカルのそばをはなれるなと命じています。

「あのばかが自信過剰の鼻っぱしらをへしおられて逃げだすまで、ともかく護衛しろ」と言ってます。このセリフ、娘への愛が溢れていて、好きです。

そして、アンドレ、ジャルジェ将軍に絶大な信頼を置かれてますね。

 

ベルサイユのばら展

今日から、11月20日まで、六本木ヒルズ東京シティビュー(森タワー52階)でベルサイユのばら展が開催されます。早速行ってきました。

原画、オスカルのドレスを再現したもの、宝塚のアンドレ、オスカル、マリーアントワネットの衣装、そして、アニメの展示もありました。

私は原画に一番感動し、一枚一枚じっくりと見ました。

貴重なものが見られて、幸せでした。あとは、お土産も売ってました。

会場の様子の写真載せます。あと、カード買いました^_^


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だけど・・愛している

アンドレがオスカルに愛の告白をするところで、アンドレが言ったことば。

激情からか、嫉妬にかられてなのか、焦りなのか、いろいろな気持ちから、オスカルに、自分の気持ちを吐露し、そのあと、ブラウスを破いてしまったあとのシーン、大好きです。

オスカルが「それで・・どうしようというのだ アンドレ・・」と言ったあとの、数カット。

「すまなかった、もうこんなことは二度としない、神にかけてちかう」

アンドレが言ったあとの、オスカルの横顔のシーン、目に涙を溜めてますが、アンドレもういいよっていう表情です。

例えば、子供の頃、喧嘩して、アンドレがオスカルを泣かせてしまい、ごめんねって言った時に、こんな表情したかもしれないっていう、信頼している人にしか見せない表情です。

そして、極めつけが、次のシーンです。「だけど・・ああ愛している 死んでしまいそうだよ」って言うアンドレの表情、オスカルの手をとり、唇を寄せ、震えながら涙を流します。

オスカルも、アンドレと言って、涙を流していますが、その表情の優しさ、かわいさに心がきゅんとなります。

そして、部屋を出て行こうとして、思わず目の前が真っ暗になり、うっとなるアンドレに、どうかしたのかと、心配そうに身を起こしてたずねるオスカルは、いつものオスカルに戻っています。

この数カットをみるだけで、オスカルのアンドレに対する気持ちが、よく分かります。アンドレのことを本当に大切に想っているのだと。

二人のそれまでの絆を感じさせるシーンです。

 

ベルサイユのばらアニメ化

ベルサイユのばらが、連載開始50年の節目の年を迎え、劇場版として、アニメ化されることが決まりました。

この令和の時代、日本のアニメの技術力の高さは、世界も認めるところです。どのような、美しい映像が観られるだろうかと楽しみになります。

 

すでに、昭和時代にテレビアニメ化はされていますね。高い評価を得ている作品のようです。

放送当時は観ていましたが、ストーリー後半のオスカルの描き方など、作者が原作に込めた思いというのか、意図するところとは必ずしも一致していなかったような気がします。

ただ、オスカルの声を演じてくださった田島令子さんを絶賛する声も多く、前回の作品が高評価なので、新たに作るアニメもその分ハードルは上がりそうですね。

原作ファンとしては、出来る限り原作に忠実に、美しい映像と音楽とで、ベルサイユのばらの世界を再現していただけたらと思います。

どんなベルサイユのばらが作られるか、注目していきたいと思います。  

 

ジェローデルのその後

本編でのジェローデルは、会議場にいる平民議員を武力で追い出すように、命令を受け、近衛隊を率いて会議場に向かい、途中オスカルと対峙する姿が描かれたのが最後の勇姿でした。ここのシーンも後日記事にしたいのですが、今回はエピソード編の話しを少し。

エピソード編は、ジェローデルを主役にした話しが結構あります。

子供時代のオスカルとの出会い、ソフィアとの交流、革命前後の顛末、そして、その後も描かれています。エピソード9では、ロザリーとロザリーの息子フランソワを助け、その後、驚きの事実が分かります。

イギリスに亡命し、薔薇の咲き乱れる村に紛れこんでしまったジェローデルは、永遠の時を生きるものに変わってしまったという内容です。

なんと、萩尾望都先生の「ポーの一族」とのコラボが実現しました。

どちらのマンガも大好きな私ですが、ちょっと不思議な気持ちになりました。

まあ、池田理代子先生の遊び心と理解したいと思います。

でも、ちょっと妄想してしまいました。これがジェローデルではなく、オスカルとアンドレだったら・・

あの戦闘で、命を落とさずに、イギリスに亡命するストーリーです。

二人で、永遠の時を生きる者となっていたら、2022年のいまも、二人でどこかで、ひっそりと生きてたら・・

現代の服装をし、オスカルは多分男装でしょうね。女装は思いつきません。それこそスマホを扱うオスカルとか、出てきたら、どんな感じかなとか。

ゼクシィだけで実現した、結婚式も挙げているかもしれませんね。

完全にベルサイユのばらからは離れてしまうので、妄想はそこまでにします笑

編集長の一言

前回の記事に少し補足させていただきます。少女マンガで初めてと書きましたが、本当の初は1972年にりぼんに掲載された、一条ゆかり氏の「ラブ・ゲーム」というマンガにワンシーンあるそうです。

ただ、連載週の一回分のページを使って、そのシーンが描かれたのは、ベルサイユのばらが初めてだったそうです。当時、大人気マンガだったこと、その注目度も高かったのではないかと思います。

また、当時、編集部にきた、クレームに対する編集長の言葉も掲載します。

「何事だ」というクレームに対して、「そこに至るまでを全部お読みになりましたか?最初から全部読んで、それでもあのシーンが不必要だと思ったなら、また、電話してきてください」とこたえたところ、2回目の電話は、かかってこなかったそうです。

名作の裏側には、名編集長の存在があったのですねー。

 

 

アンドレグランディエの妻に

当時、ベルサイユのばら週刊マーガレットに連載していました。連載当時私は幼く、タイムリーに連載を読んでいたかどうかはっきり覚えてはいませんが、でも、4歳年上の姉の影響で、何となく横から見ていたような記憶もあります。

アンドレグランディエの妻にという、オスカルが伏し目がちに言った言葉、そして、アンドレの驚いた表情で、この週は終わっています。

この続きの展開はまったく、予想できなかったと姉は言っていました。

当時、少女マンガのカテゴリーの中で、初めて描かれたシーンです。※

どうしてもこの後の展開を考えると、必要なシーンなので、描きたいという池田理代子先生と編集者の間には、相当な議論があったのではないでしょうか。

その結果、あの美しい夫婦となる描写が掲載されました。

当時の編集者の方の勇気、また、叙情的に、詩的に描いてくださった、池田理代子先生の絵と文章の美しさが心に残ります。そして、身も心も結ばれた、オスカルとアンドレの姿に何回読み返しても、感動します。

このシーンがあるから、アンドレを失くした時の、オスカルの激しい慟哭の姿が、より説得力を持ち、胸に迫るのだと思います。

 

※少女マンガ初は、「りぼん」1972年11月号掲載の、一条ゆかり氏の「ラブ・ゲーム」というマンガだそうです。