ジャルジャルジェ将軍は、愛する娘をその手で成敗しようとしています。
その時、ジャルジェ将軍は手首を押さえつけられて、痛みに顔を歪めます。
「はなせアンドレ、はなしません、もう一度言う、はなせと言っているのだ、はなしません、では、おまえもきる、けっこう、でも、その前にだんなさま、あなたを刺し、オスカルをつれて逃げます。」
短剣をジャルジェ将軍に突きつけるアンドレ
そして見開きの2ページに、幼い頃の二人、青年時代、そして、お互いを想いあっているアンドレとオスカルの姿が描かれています。
ジャルジェ将軍はここで、アンドレの気持ちを悟ります。そしてオスカルもアンドレを愛していることを。
前回の記事でも書きましたが、ばかめがと言いながらも、アンドレの人間性を認めているジャルジェ将軍、アンドレと幸せになって欲しいと心のうちで、願ったと思います。でも。身分の違いが、二人の仲を阻むのです。
貴族の結婚には、国王陛下の許可がいると言います。
「知っています、結婚などのぞんではいません、ただ、わたくしの命など、10あっても、たりはいたしますまいが、なにとぞ、オスカルの命とひきかえに、わたくしを」
とアンドレは言います。
そのつぎのページのオスカルの表情が印象的です。私はここで、聖書のことばを思い出します。
「人が自分の友のために命を捨てること、これよりも大きな愛はだれも持っていません」(ヨハネ15:13)
これは神の愛をたとえていることばですが、アンドレの愛は、男女の愛を超えた、無償の愛、アガペーの愛なのです。
何も言えないくらい、アンドレの愛の深さに心を打たれているオスカルの表情
そして、ジャルジェ将軍は、おまえを殺せば、ばあやも生きてはいまい、と言って、知能犯めと言って、アンドレのことも、オスカルのことも赦します。そして、王后陛下から処分はなしとのおことばだとオスカルに告げます。