はるのゆめ

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父がこの手で

オスカルは、上官ブイエ将軍の命令に背き、謀反人として、軍務証書を取り上げられ、国王陛下からの正式な処分を待っています。

その時、父ジャルジェ将軍が、剣を持って、部屋に入ってきます。

「この家から、うらぎり者をだすわけにはいかん、父がこの手で成敗してやる」と言います。

わたしはこの時、ジャルジェ将軍は、本当にオスカルを成敗しようとしたのか疑問に思っています。

いや、成敗しなければと思ったのでしょうが、その心のうちはどうだったのだろうかと考えさせられています。

ジャルジェ将軍はこの謀反人がと言って、オスカルに対して、本気で腹を立てています。

オスカル自身も、本当に成敗されると思い、心の中では、観念したと思います。この父が私を赦すわけはないと思い、顔面蒼白になっています。

ここからは、私の想像ですが、ジャルジェ将軍は、王后陛下の前で、オスカルのしたことは、父である私の責任、どうか私もオスカルも処分してくださいと申し出たのではないでしょうか。

王后陛下は、ジャルジェ将軍が真の忠誠心を持って、長年王家に仕えてきたことを知っています。その将軍を処分することなど出来るわけがない、オスカルのことは、あなたに免じて赦しますと言ったのではないかと思います。

そもそも、王后陛下は、オスカルを処分する気持ちは最初からなかったと思います。

でも、それでも父は娘のしたことが赦せなかった。そのため、父がこの手で成敗してやると言って、けじめをつけようとしたのだと思います。

でも、心の中では、オスカルを本当に愛している父です。葛藤があったのです。

ジャルジェ将軍は、アンドレが部屋に入ってきたあとに、アンドレのオスカルを想う気持ちを知り、急に冷静になります。

そして、すぐに貴族の結婚には国王陛下の許可がいると言っています。以前、娘に普通の女性としての幸せを願った父の顔が、ここに垣間見えます。

アンドレなら、オスカルをまかせることができる男だとすぐに思ったのでしょう。

こんな愛情深い父が本気で娘に手をかけられるのでしょうか。また、本気で殺そうと思ったのなら、アンドレが阻止しようとしたからといって途中でやめるようなジャルジェ将軍ではないと私は思います。