自分で意識的に観るようになったのは、2007年の「風林火山」からです。正直なところあまり面白くないという年もあります。
一年という長い期間、面白い作品を作るというのは、なかなか難しいのではないかと思います。どうしても、中だるみしたり、後半描くことがなくなったのかなという年もありますし、最初から、なんだかな〜という年もあります。
でも、今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は文句なく面白いです。
三谷幸喜作品は「真田丸」も好きでした。堺雅人さんも出てましたし(実はファン)
今年の作品は、始まった当初は、少しなんだかな〜の感想でした。
小栗旬さん演じる北条義時が、地方の田舎武士、人が良いだけのあまりぱっとしない人物なのです。
そして、北条家がホームドラマっぽい、ギャグ的小ネタが多く、大河ドラマにはこういう小ネタはいらないと勝手に思っていました。
でも、これは、脚本家の思惑通りだったのです。北条義時という人物は、後半、鎌倉幕府の御家人を、次々と殺めていきます。北条家と鎌倉幕府を盤石にするためです。
一年という時間の経過の中で、逆にその時間があるから、最初は善人の部類の北条義時が、徐々に徐々にワルになっていくのです。今は完全にダークな人物です。
大河ドラマで、ここまでダークな主役はあまり記憶がありません。
でも、その描き方も上手いと思いますし、演じる小栗旬さんの演技も素晴らしいと思います。
そして、当初、ほのぼのとしていた北条家も、父と子が対立し二つに割れますが、それも前半のほのぼとした家族が描かれているからこそ、後半の対立が生きてくるのです。
演じている方すべてがいいのですが、特筆すべきは、菅田将暉さんが演じられた、源義経も素晴らしかったです。
良い意味で、日本人の持つ源義経像、悲劇のヒーロー的人物像を裏切ってくれました。
純粋で無邪気なゆえの残忍性、残酷性もある人物でした。そして、軍略には天才的に長けているが、政治的な能力は皆無という人物です。
兄源頼朝に対しても、決して二心がないことが、分かっているだけに、二人がすれ違っていく姿などは、観ていて切なかったです。
そして、最近は源実朝演じる、柿澤勇人さんもいいですね。源実朝は本当は有能な人物なのではないかと思います。性格も優しく穏やかな人物です。でも、北条義時によって、お飾りの将軍にされてしまっている、そのおどおどした感じというのも、とても上手いです。その演技に目が離せません。
そして、源実朝と和田義盛との心温まるエピソード好きでした。源実朝が、和田義盛を助けようとしたのに、結局は戦になってしまいそうです。
いよいよ和田合戦でしょうか。
歴史的事実はあまり詳しくないのですが、和田義盛が今度は討たれてしまいますね( ; ; )どう描かれるのか、楽しみです。最後まで、目が離せません。