はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

熱き誓いの夜に

今日のアニメ「ベルばら」は、パリ出動前日が放送されました。ここ何週間か、テレ玉の再放送を観ています。

オスカルの肖像画が完成する。そして、パリ出動命令が出る。そして、アンドレと夫婦として結ばれる。

という大筋は原作と同じです。

でも、原作とは違うところも多いです。

一番大きな違いは、オスカルがアンドレの目がほとんど見えなくなっていることを、ジャルジェ家の主治医から聞いて、知ることです。

原作のオスカルは、アンドレの死の直前まで、そのことに気がつきませんでした。もし、知っていたら、オスカルは決して、アンドレをパリに連れて行かなかったと思います。

アニメのオスカルも、アンドレが目が見えないことを知り、パリに出動せずに、ジャルジェ家に戻るように勧めます。

しかし、アンドレは一緒について行くと言い、オスカルがアンドレに「愛しています」と言って、二人が結ばれる流れになります。

オスカルが「ずっと愛していました」と言い、アンドレが「分かっていたよ」という会話があるのですが、アニメベルばらのここ何週間かの話しの流れでは、そんな描写はなかったと思います。

もしかしたら、それ以前にどこかでそんな描写があったのかもしれませんが、唐突な感じを受けました。

オスカルが、急にアンドレの気持ちを受け入れるその心の動きが、よく分からないと思いました。

そして、一気に夫婦になる描写まで、描いてしまいます。蛍が飛び交う、幻想的な美しい描写ですが、果たして、この流れでここまで必要だろうかという疑問が残りました。

でも、アニメだとオスカルが王室を裏切り、民衆側につくのも、自分の意思というより、夫となったアンドレの意思という描き方だったと記憶していて、そうなると夫婦になるという描写が、必要なのかもしれませんが。

原作ではオスカルとアンドレが、夫婦として結ばれる、その流れがとても丁寧に描かれています。

オスカルがアンドレに対する自分の気持ちに気がつき、男性としてのアンドレに惹かれていく姿、そして、愛を誓うシーンがあり、その後、恋人としての二人の姿も描かれています。愛し合う二人が、夫婦として結ばれていく過程はとても自然です。 

オスカルとアンドレは、身分、性別を超えて、対等な関係が描かれていながらも、原作のアンドレは最後まで、オスカルの影としての役割を全うします。

現実には、こんな男性は絶対にいないだろうなと思うのです。

アニメのアンドレは、オスカルを愛していますが、オスカルにつき従うだけではなく、自分なりの思想、信念のようなものもある男性として、描かれています。そして、オスカルはそんなアンドレの考えに従うという描き方だったと思います。

話しは戻りますが、原作のオスカルはアンドレの目が見えないことが、分かっていたら、アンドレをパリには連れて行かなかったと思います。

でも、アンドレも「おれを連れていかないなら、おまえも行かせない、ぜったい」と言っていたので、そうなると、二人とも、出動はしないという話しになってしまい、ベルばらは今のようなストーリーではなくなってしまいます。だから、やっぱり、オスカルは知らなかったというのが、話しの筋としては通っていると思います。

あとは、細かいことですが、アニメのオスカルが「私たちB中隊も、出動する」と言っていましたが、オスカルはフランス衛兵隊、全部隊の隊長だったはずです。だけど、たかが、2個中隊の出動の指揮をとったというのが、原作ですが、これだと、中隊長になるのではないかと、思いました。

それから、絵が完成した時に、ジャルジェ夫人が出てこないなあと感じました。

そんなわけで、原作とはいろいろ相違があります。でも、まあ、私としては、まずまず許容範囲ということにしておきます。