はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

オスカル!バラの運命

YouTubeで、アニメ「ベルサイユのばら」の第一回目を観ることが出来たので、感想を書きたいと思います。

まずオープニングのテーマ曲を見ると、このアニメ版「ベルサイユのばら」の主役はオスカルだということに気がつきます。

オープニングの映像はすべてオスカルです。そして、アニメの初回は、オスカルの誕生から描かれて、最終回もオスカルの死で終わっています。

最終回残り15分ほどで、マリー・アントワネットの死までの、フランス革命の流れも描かれましたが、短すぎる印象でした。

原作では、池田理代子先生は、特に主役は一人に決めずに、オスカル、フェルゼン、マリー・アントワネットの3人を主役と考えているようです。

アニメでは、オスカルが生まれるシーンから始まり、そして、ジャルジェ家の六女として、この世に生を受けたオスカルを、ジャルジェ将軍は、自分の跡取りとして、男の子として育てることを決めます。この辺りは原作も同じ流れです。

原作では、のちに、ばあやは、「こんなことなら、お生まれになったとき、死んでも反対するのだった。6人姉妹の中でも一番美しくお生まれのオスカルさまなのに」と言い、「普通のお嬢様として、大切にお育てし、幸せな結婚をしていただきたかった」と言っています。

アニメでは、14歳に成長したオスカルが登場します。父ジャルジェ将軍から、近衛隊長となるためには、もう一人の近衛隊長候補である、ジェローデルと剣で戦い、勝つことが条件になると告げられます。

オスカルは、近衛隊に入り、マリー・アントワネットの護衛をすることを、「女のお守りなんて嫌です」と驚くべきことを口にします。

でも、本当はそれだけではなく、アンドレの言葉を借りれば、軍人になることは、女性としての生き方と訣別すると考えていて、オスカルの中では、そのことに迷いがあることが、描かれています。

原作では、まだ、士官学校も終えないのに、マリー・アントワネットさまづきの近衛士官に選ばれたのがうれしくてとオスカルは語っています。命にかえても未来のフランス女王をお守りするのだと決意していたことが、描かれています。

このアニメのような心の迷いは、原作ではこの時点ではなかったようです。

そして、近衛隊長の候補者が、オスカルとジェローデルの二人であるというのも、アニメだけのストーリーです。

後に描かれた「ベルサイユのばら」エピソード編では、10歳のジェローデルと11歳のオスカルは、剣で戦いオスカルが勝利するシーンが描かれています。

エピソード編では、ジェローデルは、「女であるが故に未来の王太子妃殿下づきの近衛士官になれるというのでは、あなたも不本意であろう」と言い、「この私を納得させて行って頂きたい」と言って、二人は手合わせをします。

アニメより後で描かれたこのエピソード編は、もしかしたら、アニメ第一回のジェローデルとの戦いのシーンよりヒントを得て、描かれたものかもしれないと推察しますが、どうでしょうか。

アニメのジェローデルは、オスカルより年上のように見えます。原作ではオスカルの方が一歳年上でした。

そして、アニメでは、軍服を着たくないと言うオスカルとアンドレが殴り合いをするシーンがあります。ここは、違和感を感じました。

いくら兄弟のように育ったと言っても、伯爵令嬢のオスカルに対して、召使いの孫であるアンドレが、しかも仮にも女性であるオスカルに対して、殴ったりすることは、ないだろうと思いました。

でも、この殴り合いにより、オスカルは軍人として生きる決断をするようです。そのあたりの心の動きは、よく分からない点です。

そして、アニメでは、最初から近衛隊長になると言っていますが、原作では、オスカルは最初は王太子妃殿下づきの近衛士官です。近衛連隊長に昇進するのは、マリー・アントワネットが王妃になった後です。

そして、アニメの物語の後半、ジャルジェ夫人が登場しないと思ったのですが、ジャルジェ夫人の肖像画が飾られた部屋にオスカルがいることから、ジャルジェ夫人は、すでに亡くなっているのかもしれないと思いました。

原作では、エピソード編で、オスカルがバスティーユ攻撃で、命を落として以来、その悲しみに打ち克つことが出来ず、ジャルジェ夫人が亡くなったことが、ジャルジェ将軍の口を通して語られていました。