アルラウネは、「オルフェウスの窓」の中で、最も美しい人だと私は思います。ユリウスも、アルラウネに初めて会ったときに、今まで会った誰よりもきれいだと思います。
元々はアレクセイの兄、ドミートリィの婚約者でした。アレクセイの初恋の女性です。
ドミートリィ亡き後は、アレクセイにとっては、同志であり、自分を導いてくれる革命の師のような存在でした。
音楽学校では、周囲に一目置かれているクラウスですが、美しく、賢く、そして、男勝りのアルラウネには、頭があがりませんでした。
そして、レーゲンスブルク時代は、音楽学校の生徒たちには、表向きはクラウスの婚約者ということになっていました。
ユリウスは、アルラウネの美しさ、そして、クラウスの婚約者なので、かなりアルラウネを意識していました。
共に行動していた、アレクセイとアルラウネですが、袂をわかつ時がおとずれます。
アレクセイが、ボリシェビキに加わり、モスクワに行って戦うことを決意し、二人は別れます。
そして、その後、アルラウネは、橋の爆破に巻き込まれて亡くなります。この亡くなり方は壮絶です。
裏切り者のユーリィ・プレシコフだけが、アルラウネの死を見届けています。そして、アレクセイは近くにいましたし、爆破で人が巻き込まれたことは、分かりましたが、それがアルラウネだとは分かっていません。
そして、遺体は川に流されていきます。オルフェウスの窓には、こんなふうな亡くなり方が、割と多い気がします。