オスカルの結婚話が持ち上がった時に、アンドレは自分が平民であることを呪います。
オスカルのそばで、ずっとオスカルを見つめ続け、愛してきたアンドレです。
どんなにひくくてもいい、貴族の身分があれば、だれにもにわたしはしない、どんなにどんなに愛してもだめなのか、身分のない男の愛は無能なのか
草の上で、号泣するアンドレの姿
別の日にアンドレとアランが語り合う場面があります。
身分違いの恋に苦しみ、ヌーベルエロイーズを読みながら、死によってしか結ばれない愛を一瞬考えてしまうアンドレ、そこに現れるアラン、身分身分と生きているのがあほくさくなると言うアラン
なにぬかすか、てめぇも貴族じゃないかと軽く言うアンドレに対し、
知っているか、平民以下の暮らしをしている貴族だってあるぞ、寒い吹雪の夜もおなかを空かせて、身を寄せ合うことしかできない、それでも貴族だぞとアンドレに詰め寄ります。それはアランの家族の姿です。
はなせ、悪かったと謝るアンドレ
平民以下の暮らしをしている貴族である、アランの妹ディアンヌは、結婚の日を、心待ちに幸せそうに過ごしていましたが、婚約者は金持ちの平民の娘と結婚してしまうというエピソードが、こののち描かれます。
どんなに低くてもいいから、貴族の身分が欲しいと願うアンドレと、貴族だけど、極貧のなかで生活をしているアランの家族、この対比が鮮明で、考えさせられてしまうシーンです。
そして、アランのオスカルに対する気持ちも語られています。
大貴族の令嬢なのに、軽蔑しぬいてやることも、憎みきることもできないと、俺はあの女が嫌いだと言っています。
そして、アンドレの目が、見えなくなってきていることに、アランが気づきます。
心配するアランに対し、だれにもしゃべるな、しゃべったら殺す!と言って、口止めをするアンドレ、いつの間にか、お互いを認め、親友のようになっている二人です。