はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

アンドレの決意

オスカルの結婚話が持ち上がってから、アンドレはずっと苦しんでいます。

身分の違いという、自分ではどうすることもできない状況を、若い頃から受け入れて、恋心を表には出さずに、オスカルの側にずっといたアンドレです。

それは仕方ないことと諦めの気持ちもあったと思います。

でも、オスカルをほかの男の手にわたすくらいなら、だんなさまにでも射殺されてしまったほうがましだと、以前愛の告白をした時にもオスカルに語っていました。

あの時は、具体的な話しが、あったわけではありませんが、今回は違います。このままでは、オスカルはジェローデルと結婚してしまうかもしれない。 

アンドレは絶望感と焦りに囚われ、苦しい日々を過ごしています。

そして、ヌーベルエロイーズを読み、ついに、共に死ぬ道を選ぼうとしてしまいます。

この時のアンドレは、自分の苦しみに心を支配され、オスカルの気持ちを考えることが出来なくなっていました。

「なぜ・・なぜ生きてきた、いままで、なんのためにいったい生きてきた・・」

アンドレは、生きる意味を見失っています。そして、愛するオスカルの命を絶とうとまで、追い詰められています。

ヌーベルエロイーズという本が、当時の大ベストセラーとなっていたことを考えると、アンドレのような身分違いの恋に共感する人がいかに多かったかということの証しのような気がします。

人を愛する心は自由なはずですが、それが叶わない社会だったということだと思います。