はるのゆめ

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軍隊とは国民を守るもの

前回記事に取り上げた、国民議会の会議場入り口の閉鎖、そして、それにより、平民議員たちが、ジュー・ド・ポームに集まり、憲法制定までは決して解散しないことを誓うシーン、いずれも史実に基づいています。

史実を描き、そこに、架空の登場人物である、オスカルがリアルに存在しているように描かれていることが、ストーリーをより面白くしています。

ルイ16世が国民議会を解散し、もとの三部会に戻って討議するように話し、国王の命令には従わないと会議場に平民議員がとどまるというこの箇所も史実です。

そして、平民議員たちを会議場から、軍隊の力で追い出すように、ブイエ将軍がオスカルに命令します。

この時のオスカルは、即座にできませんとこたえています。

「軍隊とは国民を守るためのものであって、国民に銃を向けるものではございません。」

そのオスカルの言葉に対し、謀反人だ、逮捕しろとこたえるブイエ将軍

そして、ブイエ将軍は、隊士たちには、私が直接命令を与えると言って、司令官室を出ていきます。

アラン・ド・ソワソン以下第一班12名は、ブイエ将軍の命令を断ります。

ここのシーンもとても、面白いですね。隊長がそう指示したわけではありませんが、隊長と隊士たちは、同じように考え、同じように行動しています。

心は自由だからという、隊長のことばが隊士たちの心には、息づいています。

ブイエ将軍は12名を逮捕し、アベイ牢獄に投獄し、みせしめのために銃殺をすると告げます。

そして、司令官室に戻り、どこへやったのです、わたくしの部下をと言うオスカルに対し、隊長が隊長なら部下も部下だと言っています。

この組織のトップはあなたですが、オスカルも隊士たちも、ブイエ将軍あなたの部下ですが、あなたは、組織のトップとしての責任は感じないのですか、と現代に生きる私は思ってしまう場面です。

そして、この司令官室には、ブイエ将軍以外に二人の人物がいます。

この二人はブイエ将軍の指示で動いています。当時の軍隊組織がどのようになっていたのか、分かりませんが、恐らく、ブイエ将軍の部下で、将軍の副官、立場的には、オスカルと同じか、下なのではないかと考えられます。

この二人は、オスカルの行動を理解はしていませんが、必ずしも、ブイエ将軍に心から従っているのではないような印象を受けます。

命令されているから仕方なく、オスカルを拘束しているのかもしれません。

部屋から逃げ出そうとする、オスカルを阻止しようとします。この時、さっきの二人に加え、隊士2名が、取り押さえようと近づきます。

拘束をふりほどこうとしながら、ドアを叩き、アンドレそこにいるか、アンドレあけてくれ、このドアを開けてくれ、アンドレアンドレ、聞こえるかアンドレ

という、オスカルの必死な声に、まだ、何が起こったか分からないけれど、アンドレはすぐにドアを開けます。そして、拘束をふりほどき、剣を借りるぞと言って、オスカルは会議場に向かっている、近衛兵を制止するために、馬を走らせます。