はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

オスカルの初めての恋

ベルサイユのばら」の前半、オスカルはフェルゼンに対して、恋心をいだきます。でも、マリー・アントワネットとフェルゼンの恋ほど、その始まりは、はっきりと描かれてはいません。オスカルはいつからフェルゼンに恋をしたのでしょうか。

原作を読んでいくと、18歳で出会い、スウェーデンに帰国し、4年ぶりに再会したフェルゼンは、結婚相手を探しています。

その相手のことを、オスカルに話す場面があるのですが、その時のオスカルの表情をみると、すでに、フェルゼンのことが好きなのかなと思います。

オスカルは、「愛してもないのに、結婚するのか、フェルゼン」と言っています。

そして、フェルゼンが結婚することになり、それを王妃さまに伝える場面があります。

その直後、なぜ王妃さまに言ったと問い詰めるオスカルに対し、フェルゼンが「愛していると、王后陛下を愛してしまったと、どうしていえる!?」と言った時に、オスカルは相当なショックを受けています。

マリー・アントワネットとの恋に苦しむフェルゼンの姿を見て、オスカルは、「おまえのそんなことばをきくと、なぜか胸を刺されるようだ、どうしたというのだろう」と考えています。

その後、フェルゼンが一生だれとも結婚しないとオスカルに告げた場面では、こんなに愛していながらと、苦悩する姿が描かれていますが、それは、フェルゼンの苦悩であるのと同時にオスカルの苦悩する姿でもあります。

そして、フェルゼンは、アメリカ遠征軍に志願しますが、その理由は王妃さまから距離をおき、王妃さまをスキャンダルなどの危険から守るためであることをオスカルに告げます。

オスカルはその時に、「フェルゼン、りっぱだ、男性が真の愛のために、なしうるこれ以上、気高く尊い行為を、わたしは知らない」と言って涙を流しています。

原作を読んでいく限りでは、18歳で出会い、4年ぶりに再会した時に、すでに、オスカルはフェルゼンに対して、友情以上の気持ちを持っているのではないかと感じました。

ジェローデルとの結婚話があった時に、オスカルは、「あの18の日に、フェルゼンの前に男としてしか存在することをゆるされなかったのは、なんのためだ、たえることしかゆるされなかった、はじめての恋を、ついについに、たえたのは、なんのためだったのだ・・」と思い返しています。

男として育てられ、軍人として生きることが定められていたオスカルは、自分の恋心を、胸のいたみとともに、軍服につつんできたと言っています。

「くる春もくる春も、ただひとこと、ただひとことを」決して想いを伝えることができない気持ちだったことが分かります。

そのように、耐えながらも、フェルゼンのマリー・アントワネットに対する恋心を近くで見てきたオスカル、苦しい恋をしてきたことが、よく分かります。