はるのゆめ

ベルサイユのばらが大好きです

歴史の物語 ベルばら

池田理代子先生の描く「ベルサイユのばら」作者へのインタビューで、ベルばらは「愛の物語」と言われるんですが、わたしはあくまで「歴史の物語」だと思っていますという言葉が載っていました。

今回は、歴史の物語としての「ベルサイユのばら」について考えてみたいと思います。

まず、「ベルサイユのばら」は、歴史上実在の人物、そして、架空の人物、さらに史実にモデルがいる人物がいます。

これらの人物たちが、違和感なく物語の中で、関係を持ちながら、ストーリーが展開されている点が、よく考えられています。

少女マンガというカテゴリーであり、連載紙も少女向けマンガ雑誌でした。想定される読者が若いということを考え、フランス革命に関する歴史をとても分かりやすく描いているという特徴もあります。

そして、基本的にはフランス革命と、マリー・アントワネットという悲劇の女王の一生を描いているのですが、その歴史的事実はなるべく忠実に、描こうとしている作品です。 

ただ、歴史上の人物ではない、もう一人、架空の人物のオスカル・フランソワという人物を生み出したことが、この作品の人気の要因でもあると思います。

池田理代子先生は、ツヴァイクの「アントワネット」はマリー・アントワネットの立場からフランス革命を描いていますが、わたしがフランス革命を描くなら、民衆を描きたいという想いがありましたということも、書いておられました。

オスカルがメインとなる、物語の中盤から後半、民衆側からのフランス革命を描こうとしている作者の意図が分かります。

民衆に心を寄せるオスカルの姿を通して、そしてオスカルが、フランス衛兵隊に入ってからは、物語は王室を離れ、オスカルと隊士たちの関わりなどを描きながら、民衆側からのフランス革命の物語が描かれていると思います。 

歴史の物語としても、充分楽しめるストーリーですが、登場人物が魅力的で、ストーリー展開の面白さがあります。固い歴史物語になりすぎない、バランスが良い作品だと思っています。

池田理代子先生は「ベルサイユのばら」は「愛の物語」ではなく「歴史の物語」だと思っています、と書かれていました。

池田理代子先生の想いはそうなのでしょう。でも、私はこの作品は歴史の物語であり、愛の物語でもあると思います。

その二つの要素がバランスよく、描かれていることにより、作品としての魅力があると思うからです。