傑作の予感がする、山本鈴美香先生の「七つの黄金郷(エルドラド)」
でも、多分このまま未完の可能性がとても高いです。
物語全体からすると、すでに描かれた部分も、多分まだ序盤のような印象です。主要登場人物は出揃いましたが、エルドラドの謎解きとか、恋の話しもこれから展開していくのだと思います。
これだけの設定、そして、魅力的な登場人物の数々、もし、物語の構想があるなら、続きを知りたくなる内容です。
そして、最終巻には、第4部のネームが30ページ掲載されています。マンガのネームというものを初めてみました。
ネームを読んだら、どんなストーリー展開になるか、逆に気になりました。
ネームとはマンガの下書きのことで、ストーリーの流れ、コマ割り、人物の配置、セリフなどが描かれています。
私は絵がまったく描けないので、ここから、絵を描くのも大変な作業のように感じます。
でも、マンガ家さんにとっては、このネームを作るという作業は、とても大変なそして、重要なことなのではないでしょうか。ここまで出来れば、あとは実際に、そこに絵を描けば、作品が出来上がるので、ここまでが非常に大変なのではないかと思います。
そうは言っても絵を描くのも大変だとは思いますが。
そして、通常ネームが読者の目に触れることは、殆どないことだと思います。
異例のことで、山本鈴美香先生自身も、きれいに仕上げてから発表するのが当然なのですけど、と前置きした上で、無いよりはいいということで、掲載に踏み切ったようです。
でも、私は初めて見たネームに感激しました。ああ、このようにして、作品が出来上がっていくのか、その過程を知ることができたからです。
この作品はとても好きで、山本鈴美香先生の絵も大好きです。未完なのはやはり残念ではありますが、いろいろな事情があるようで仕方ないと思っています。