萩尾望都先生の自叙伝「一度きりの大泉の話」から、再び記事にします。
萩尾望都先生は月刊誌の「別冊少女コミック」に描いていましたが、「週刊少女コミック」に描いてくれという話が来たそうです。
編集部で会うと、担当飯田さんが「ベルサイユのばら」の単行本を手に、「萩尾さん、こんな風なドラマチックな、1〜2年連載可能な、スケールの大きな長期連載を頼む」と言われたそうです。
そんなスケールの大きななんて、無茶なと、返事に困っていたら、一緒についてきていた、城章子さんが、「長編ネタなら、「トーマの心臓」があるじゃない」と言ったそうです。
それで、「ドイツが舞台で、300枚ぐらい描いているけど、学園ものだし、王朝もののようには、スケールは大きくない」と説明したら、原稿を見もしないで、「それでいこう」と簡単に決まりましたと書いてありました。
萩尾望都先生は、木原敏江先生、山岸凉子先生との交流が、この本の中にも、書かれていますが、池田理代子先生の「ベルサイユのばら」も読んでいて、
「私もオスカル様が大好きでした」と書かれてありました。
萩尾望都先生が、埼玉に引っ越しされたあと、「木原敏江先生のお弟子さんや、お友達の池田理代子先生が遊びにいらっしゃいました」と書かれてありました。おそらく、木原敏江先生を通して、交流があったのだろうと思います。
そして、そういうおつきあいが、のちのジェローデルが「ポーの村」に迷い込んで、吸血鬼にされるという、「ベルサイユのばら」エピソード編につながったのだと、微笑ましく思いました。
そして、「ベルサイユのばら」アニバーサリーブックというのが、2022年発売されましたが、その本の中では、何と萩尾望都先生が、ジェローデルとオスカルを描いています。ご興味のある方は、この本をご覧ください。