竹雄と綾、万太郎の関係性が、私の中では、「ベルサイユのばら」のオスカルとアンドレと重なります。
幼い頃から、竹雄は万太郎の側にいて、万太郎の祖母タキの命により、万太郎をずっと見守り、何かあった時には、自分のことより万太郎を守り、助けてきました。
アンドレも、幼い頃からオスカルの護衛として、つき従い、いつもオスカルを守ってきました。竹雄とアンドレの二人の姿が重なって見えてきます。
そして、竹雄は綾に対して、幼い頃からずっと、心に秘めた想いを抱き、身分の違いから、なかなか自分の気持ちを言い出せません。
そこも、アンドレがオスカルをずっと愛していたのに、身分の違いから、自分の気持ちを言い出せなかったことと、重なります。
そして、東京に旅立つ万太郎は、竹雄と離れ生きていく決意をします。竹雄の綾への気持ちを知っている万太郎は、竹雄には家業の造り酒屋を継ぐ綾の側で、綾を助けて生きて行って欲しいと願っています。
しかし、アンドレがオスカルの側を離れて、自分の生きていく意味を見いだせないのと同じように、万太郎からクビだと言われた竹雄もまた、万太郎から離れた自分には何もないと思うシーンがあります。
竹雄はついに、綾に自分の気持ちを伝えますが、綾への想いと、そして万太郎を助けて生きていくこと、どちらも竹雄のしたいことなのです。
どちらを選ぶのも竹雄の自由なのですが、竹雄は今は東京に旅立つ万太郎を助けていく決断をします。
「らんまん」は登場人物の細やかな心理描写を丁寧に描いている、秀逸な作品だと思います。
そして、竹雄を演じる志尊淳さんに、とても心惹かれます。すごく素敵な役者さんだなと思います。
これから、東京に行く万太郎と竹雄の話が、とても楽しみです。